離婚の条件を公正証書にして強制執行認諾文言をつけておくと、養育費や慰謝料の支払いが止まったときに、裁判をしなくても差押えを申し立てられます。手数料は公証人手数料令で決まっていて、2025年10月1日に改定されました。ここでは、手数料の表、離婚の場合の計算ルール、計算例、作る流れをまとめます。
公証役場に行く前に、決めることを整理できます
チェック項目を選んで答えていくと、親権・養育費・財産分与などの要望が1枚にまとまります。公証役場への相談に、そのまま持っていけます。
こちらの要望を作る →このページの内容
公正証書は、公証人が作る公文書です。離婚の条件を公正証書にし、「支払いを怠ったときは、直ちに強制執行に服する」という強制執行認諾文言を入れておくと、その公正証書に基づいて、給与や預金の差押えを申し立てられます。
強制執行ができるのは、一定の金額の支払いについての約束です。養育費・慰謝料・財産分与の支払いは対象になりますが、親子交流の約束などは、公正証書にしても差押えの対象にはなりません。
| 目的の価額 | 手数料 |
|---|---|
| 50万円以下 | 3,000円 |
| 50万円を超え100万円以下 | 5,000円 |
| 100万円を超え200万円以下 | 7,000円 |
| 200万円を超え500万円以下 | 13,000円 |
| 500万円を超え1,000万円以下 | 20,000円 |
| 1,000万円を超え3,000万円以下 | 26,000円 |
| 3,000万円を超え5,000万円以下 | 33,000円 |
| 5,000万円を超え1億円以下 | 49,000円 |
| 算定不能のもの | 13,000円 |
1億円を超える場合は、超過額に応じて加算されます。出典:日本公証人連合会「公証人手数料(令和7年10月1日施行)」。
月3万円×12か月×5年=180万円 → 100万円を超え200万円以下 → 7,000円
| 内容 | 目的の価額 | 手数料 |
|---|---|---|
| 養育費 月5万円(5年分) | 300万円 | 13,000円 |
| 財産分与300万円+慰謝料100万円 | 400万円 | 13,000円 |
| 合計 | 26,000円 |
26,000円+13,000円=39,000円
いずれも基本の手数料です。書面の枚数による加算や、正本・謄本の交付費用が別にかかります。正確な額は、作成を頼む公証役場で確認してください。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 枚数による加算 | 公正証書の記録事項を出力した書面が3枚を超えるとき(紙で作成した公正証書は4枚を超えるとき)、超える1枚ごとに300円 |
| 正本・謄本の交付 | 書面1枚につき300円(電磁的記録は1件2,500円) |
| 謄本の送達 | 1,600円+送料実費 |
| 公証人に出張してもらう場合 | 日当20,000円(4時間以内は10,000円)+交通費実費 |
| 差押えのときの執行文の付与 | 2,000円 |
親権、養育費、親子交流、財産分与、慰謝料、年金分割などを決め、文章にしておきます。書き方は離婚協議書の作り方をご覧ください。
電話やメールで予約し、決めた内容と必要書類を伝えます。
公証人が文案を作ります。夫婦それぞれが内容を確かめ、直したいところを伝えます。
公証人が内容を読み上げ、夫婦が確認して署名します。代理人による作成や、条件を満たせばウェブ会議での作成が認められる場合もあるので、事前に公証役場に確認してください。
支払いを受ける側は、差押えのときに使う正本を大切に保管します。
公証役場によって求められる書類が異なります。必ず事前に確認してください。
| 離婚協議書 | 公正証書 | |
|---|---|---|
| 費用 | 0円 | 数千円〜 |
| 養育費の差押え | 子1人月8万円まで(先取特権) | 全額 |
| 慰謝料・財産分与の差押え | できない | できる |
| 年金分割の手続き | そのままでは使えない | 使える |
支払いがない、または一括で済むなら、協議書でも足りることが多いです。養育費が月8万円を超える、分割払いがある、相手が約束を守るか不安なら、公正証書にしておくと安心です。
Q. 離婚の公正証書の費用はいくらですか?
A. 公証人手数料令で決まっています。財産分与と慰謝料は合算した額で、養育費はそれとは別に(支払総額、ただし5年分まで)手数料を出し、足し合わせます。年金分割の合意は原則13,000円です。たとえば財産分与300万円と養育費月4万円(5年分で240万円)なら、13,000円+13,000円=26,000円が基本の手数料です。
Q. 公正証書にすると、何ができますか?
A. 強制執行認諾文言をつけておくと、支払いが止まったときに、裁判をしなくても給与や預金の差押えを申し立てられます。
Q. 離婚協議書と公正証書、どちらにすべきですか?
A. 養育費が子1人あたり月8万円を超える、慰謝料や財産分与を分割で受け取る、相手が約束を守るか不安、という場合は公正証書が向いています。
Q. 手数料は、どちらが払いますか?
A. 法律上の決まりはなく、夫婦の話し合いで決めます。負担する人を協議書や公正証書に書いておくと、あとで揉めません。
Q. 必要な書類は何ですか?
A. 本人確認書類、戸籍謄本、不動産を分けるなら登記事項証明書と固定資産評価証明書、年金分割をするなら年金分割のための情報通知書などです。公証役場によって異なるため、事前に確認してください。
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参考:日本公証人連合会「公証人手数料(公証人手数料令 令和7年政令第263号改正、令和7年10月1日施行)」、法務省「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました」(2026年1月改訂)。