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離婚の公正証書の費用と作り方|2025年10月改定の公証人手数料と計算例

離婚の条件を公正証書にして強制執行認諾文言をつけておくと、養育費や慰謝料の支払いが止まったときに、裁判をしなくても差押えを申し立てられます。手数料は公証人手数料令で決まっていて、2025年10月1日に改定されました。ここでは、手数料の表、離婚の場合の計算ルール、計算例、作る流れをまとめます。

公証役場に行く前に、決めることを整理できます

チェック項目を選んで答えていくと、親権・養育費・財産分与などの要望が1枚にまとまります。公証役場への相談に、そのまま持っていけます。

こちらの要望を作る →

1. 公正証書にすると、何ができるか

公正証書は、公証人が作る公文書です。離婚の条件を公正証書にし、「支払いを怠ったときは、直ちに強制執行に服する」という強制執行認諾文言を入れておくと、その公正証書に基づいて、給与や預金の差押えを申し立てられます。

強制執行ができるのは、一定の金額の支払いについての約束です。養育費・慰謝料・財産分与の支払いは対象になりますが、親子交流の約束などは、公正証書にしても差押えの対象にはなりません。

2026年4月から、養育費は協議書でも差押えを申し立てられるように 養育費については、父母が取決めのときに作った文書に基づいて、子1人あたり月8万円まで差押えの手続を申し立てられるようになりました(先取特権)。それを超える部分や、慰謝料・財産分与は、公正証書などが必要です。

2. 手数料の表(2025年10月1日から)

目的の価額手数料
50万円以下3,000円
50万円を超え100万円以下5,000円
100万円を超え200万円以下7,000円
200万円を超え500万円以下13,000円
500万円を超え1,000万円以下20,000円
1,000万円を超え3,000万円以下26,000円
3,000万円を超え5,000万円以下33,000円
5,000万円を超え1億円以下49,000円
算定不能のもの13,000円

1億円を超える場合は、超過額に応じて加算されます。出典:日本公証人連合会「公証人手数料(令和7年10月1日施行)」。

3. 離婚の場合の計算ルール

  1. 財産分与と慰謝料は、合算した額で手数料を出します
  2. 養育費は、それとは別に手数料を出します。目的の価額は期間中の支払総額、ただし5年分までです
  3. 年金分割の合意は、原則として13,000円です
  4. 以上を足し合わせた額が、その公正証書の手数料です

4. 計算例

例1 養育費だけ(子1人、月3万円)

月3万円×12か月×5年=180万円 → 100万円を超え200万円以下 → 7,000円

例2 養育費と財産分与

内容目的の価額手数料
養育費 月5万円(5年分)300万円13,000円
財産分与300万円+慰謝料100万円400万円13,000円
合計26,000円

例3 例2に年金分割の合意を加える

26,000円+13,000円=39,000円

いずれも基本の手数料です。書面の枚数による加算や、正本・謄本の交付費用が別にかかります。正確な額は、作成を頼む公証役場で確認してください。

5. 手数料のほかにかかるもの

項目費用
枚数による加算公正証書の記録事項を出力した書面が3枚を超えるとき(紙で作成した公正証書は4枚を超えるとき)、超える1枚ごとに300円
正本・謄本の交付書面1枚につき300円(電磁的記録は1件2,500円)
謄本の送達1,600円+送料実費
公証人に出張してもらう場合日当20,000円(4時間以内は10,000円)+交通費実費
差押えのときの執行文の付与2,000円

6. 作るまでの流れ

ステップ1 夫婦で内容を決める

親権、養育費、親子交流、財産分与、慰謝料、年金分割などを決め、文章にしておきます。書き方は離婚協議書の作り方をご覧ください。

ステップ2 公証役場に相談する

電話やメールで予約し、決めた内容と必要書類を伝えます。

ステップ3 書類を送り、文案を確認する

公証人が文案を作ります。夫婦それぞれが内容を確かめ、直したいところを伝えます。

ステップ4 当日、内容を確認して署名する

公証人が内容を読み上げ、夫婦が確認して署名します。代理人による作成や、条件を満たせばウェブ会議での作成が認められる場合もあるので、事前に公証役場に確認してください。

ステップ5 正本・謄本を受け取る

支払いを受ける側は、差押えのときに使う正本を大切に保管します。

7. 必要な書類

公証役場によって求められる書類が異なります。必ず事前に確認してください。

8. 協議書のままでいい場合、公正証書にすべき場合

離婚協議書公正証書
費用0円数千円〜
養育費の差押え子1人月8万円まで(先取特権)全額
慰謝料・財産分与の差押えできないできる
年金分割の手続きそのままでは使えない使える

支払いがない、または一括で済むなら、協議書でも足りることが多いです。養育費が月8万円を超える、分割払いがある、相手が約束を守るか不安なら、公正証書にしておくと安心です。

9. よくある質問

Q. 離婚の公正証書の費用はいくらですか?

A. 公証人手数料令で決まっています。財産分与と慰謝料は合算した額で、養育費はそれとは別に(支払総額、ただし5年分まで)手数料を出し、足し合わせます。年金分割の合意は原則13,000円です。たとえば財産分与300万円と養育費月4万円(5年分で240万円)なら、13,000円+13,000円=26,000円が基本の手数料です。

Q. 公正証書にすると、何ができますか?

A. 強制執行認諾文言をつけておくと、支払いが止まったときに、裁判をしなくても給与や預金の差押えを申し立てられます。

Q. 離婚協議書と公正証書、どちらにすべきですか?

A. 養育費が子1人あたり月8万円を超える、慰謝料や財産分与を分割で受け取る、相手が約束を守るか不安、という場合は公正証書が向いています。

Q. 手数料は、どちらが払いますか?

A. 法律上の決まりはなく、夫婦の話し合いで決めます。負担する人を協議書や公正証書に書いておくと、あとで揉めません。

Q. 必要な書類は何ですか?

A. 本人確認書類、戸籍謄本、不動産を分けるなら登記事項証明書と固定資産評価証明書、年金分割をするなら年金分割のための情報通知書などです。公証役場によって異なるため、事前に確認してください。

参考:日本公証人連合会「公証人手数料(公証人手数料令 令和7年政令第263号改正、令和7年10月1日施行)」、法務省「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました」(2026年1月改訂)。