話し合いで離婚する協議離婚なら、離婚届は自分たちで書いて出せます。用紙は窓口で無料、届出の手数料もなく、費用は0円です。ただし2026年4月1日から用紙の様式が変わり、未成年の子がいる場合に書く欄が増えました。ここでは、はじめて書く人が迷わないように、用意するものから出したあとの手続きまでを順番にまとめます。
下書きは、その場で作れます
チェック項目を埋めていくと、離婚届の下書きと、親権・養育費・財産分与などの要望をまとめた「こちらの要望」が出てきます。あとは本物の用紙に書き写すだけです。
離婚届の下書きを作る →このページの内容
夫婦が離婚に合意していれば、家庭裁判所を通さず、離婚届を市区町村に出すだけで離婚できます。これを協議離婚といいます。専門家に頼む必要はありません。
届出が受理されると、届け出た日に離婚が成立します。調停や裁判で離婚する場合と違い、書類をそろえるのも、窓口に出すのも自分たちです。
協議離婚で必要なのは、夫と妻それぞれの署名と、成年の証人2人の署名です。押印は2021年9月から任意になりました。
離婚届そのものには、費用はかかりません。取り決めをどう残すかで、かかる費用が変わります。
| やり方 | 費用 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 離婚届だけを出す | 0円 | お金や子どもの取り決めがない |
| 離婚協議書を作ってから出す | 0円 | 決めたことを書面に残したい |
| 公正証書にしてから出す | 数万円〜 | 養育費や慰謝料の支払いがある |
| 家庭裁判所の調停 | 収入印紙1,200円+郵便切手 | 話し合いがまとまらない |
公正証書の手数料は、分ける財産や養育費の額で決まります。計算方法は離婚の公正証書の費用と作り方にまとめています。
お金や子どもの取り決めがあるなら、離婚届を出す前に、決めたことを書面にしておくのが基本です。書き方は離婚協議書の作り方をご覧ください。
戸籍謄本は、2024年3月1日から原則として添付不要になりました。本籍地以外の役所に出す場合も同じです。
2026年4月1日からの新しい様式を使います。未成年の子がいない場合は前の様式でも出せますが、未成年の子がいる場合は新しい様式を使うか、前の様式に別紙を添付します。
未成年の子がいるなら、親権者を父母双方にするかどちらか一方にするかを決めます。あわせて、離婚後の子育ての分担、親子交流、養育費の分担も話し合います。決め方は共同親権と単独親権の決め方と養育費の決め方にまとめています。
いきなり用紙に書くと、書き間違えたときに困ります。まず下書きを作り、2人で内容を確かめます。このサイトのツールを使えば、チェック項目を埋めるだけで下書きが出てきます。
氏名・住所・本籍・父母の氏名などを書き、届出人の署名は夫と妻がそれぞれ自分で書きます。代わりに書くことはできません。
証人欄には、署名・生年月日・住所・本籍を書いてもらいます。
夫婦の本籍地か、届出人の所在地(住所地など)の市区町村に出します。夫婦が2人そろって行く必要はありません。
共同親権の導入にあわせて、未成年の子がいる場合に書く欄が変わりました。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 未成年の子の氏名 | 「父母双方が親権を行う子」「父(夫)が親権を行う子」「母(妻)が親権を行う子」「親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされている子」のうち、当てはまる欄に子どもの氏名を書きます |
| 親権についての合意の確認 | 協議離婚で親権者を定めた場合、「離婚後も共同で親権を行使すること又は単独で親権を行使することの意味を理解し、真意に基づいて合意した」に、夫と妻がそれぞれしるしをつけます |
| 離婚後の子育ての分担 | 取決めをしているか、まだ決めていないかにしるしをつけます。一方が全部行うと決めた場合も「取決めをしている」です |
| 親子交流 | 同じく、取決めの有無にしるしをつけます。交流しないと決めた場合も「取決めをしている」です |
| 養育費の分担 | 経済的に自立していない子(未成年に限りません)がいる場合に、取決めの有無にしるしをつけます |
出す先は、夫婦の本籍地か、届出人の所在地の市区町村です。時間外の窓口で預かってもらえる自治体もありますが、書類に不備があると後日呼び出されることがあるため、平日の開庁時間に出すと安心です。
離婚届が受理されたあとも、次の手続きは別に必要です。
相手が勝手に離婚届を出しそうなときは、市区町村に不受理申出をしておきます。申出をした本人が窓口に来て本人確認ができない限り、離婚届は受理されなくなります。
次に当てはまるなら、自分たちだけで離婚届を書いて出す前に、相談先を頼ってください。
話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所の調停を使えます。収入によっては法テラスの無料法律相談も使えます。
Q. 離婚届を出すのに費用はかかりますか?
A. かかりません。用紙は市区町村の窓口で無料でもらえ、届出の手数料もありません。ホームページで用紙を配布している自治体もあります。
Q. 証人は誰に頼めばいいですか?
A. 協議離婚では、成年(18歳以上)の証人2人の署名が必要です。親・きょうだい・友人など、誰でもなれます。署名は証人本人が書きます。
Q. 離婚届はどこに出せばいいですか?
A. 夫婦の本籍地か、届出人の所在地(住所地など)の市区町村役場です。
Q. 戸籍謄本は必要ですか?
A. 2024年3月1日から、原則として添付は不要になりました。本籍地以外の役所に出す場合も同じです。
Q. 親権者が決まっていないと、離婚届は出せませんか?
A. 2026年4月からは、家庭裁判所に親権者の指定を求める審判または調停を申し立てていれば、その子を「申立てがされている子」の欄に書いて離婚届を出せます。審判の確定または調停の成立後に、親権者指定届が必要です。
Q. 相手に勝手に離婚届を出されそうなときは?
A. 市区町村に「不受理申出」をしておくと、申出をした本人が窓口に来て本人確認ができない限り、離婚届は受理されません。有効期限はなく、取り下げるまで続きます。
Q. 前の様式の用紙は使えますか?
A. 未成年の子がいない場合は使えます。未成年の子がいる場合は、新しい様式を使うか、前の様式に別紙を添付する必要があります。
あわせて読む
参考:法務省「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました」(2026年1月改訂)、各市区町村の離婚届の案内(令和8年4月1日からの様式変更)、戸籍法の一部改正による戸籍謄本等の添付省略(令和6年3月1日施行)、日本年金機構「離婚時の年金分割の請求期限が改正されました」。